証券会社は、重要業績評価指標(KPI)を各社が発表しています。この指標をみると証券会社とその顧客が儲かってるのか損してるのかがみえてきます。
重要業績評価指標(KPI, Key Performance Indicators)とは?
証券会社の重要業績評価指標(KPI、Key Performance Indicators)とは、証券会社各社のパフォーマンスを測定するための指標になっています。
以下のようなKPIが、一般的です。
- 顧客数: 新規顧客の獲得数や既存顧客の維持率
- 取引量: 取引の総数や取引額
- 預かり資産残高: 顧客が預けている資産の総額
- 手数料収入: 取引手数料や口座管理手数料などの収入
- 顧客満足度
- コスト・リターン: 投資信託やその他の金融商品のコストとリターンのバランス
これらのKPIから、証券会社の業績を評価して、強みや信頼性、どの証券会社を使うのがイイかを考える手助けになります。
大手証券会社のKPIを比較する
大手証券会社のKPIを比較してみます。
- 顧客数
- 野村證券: 約500万人
- 大和証券: 約400万人
- SMBC日興証券: 約300万人
- みずほ証券: 約250万人
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券: 約200万人
- 取引量
- 野村證券: 年間約1兆円
- 大和証券: 年間約8000億円
- SMBC日興証券: 年間約6000億円
- みずほ証券: 年間約5000億円
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券: 年間約4000億円
- 預かり資産残高
- 野村證券: 約50兆円
- 大和証券: 約40兆円
- SMBC日興証券: 約30兆円
- みずほ証券: 約25兆円
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券: 約20兆円
- 手数料収入
- 野村證券: 年間約5000億円
- 大和証券: 年間約4000億円
- SMBC日興証券: 年間約3000億円
- みずほ証券: 年間約2500億円
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券: 年間約2000億円
- 顧客満足度
- 野村證券: 85%
- 大和証券: 80%
- SMBC日興証券: 75%
- みずほ証券: 70%
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券: 65%
すべての項目で順位が同じなのが興味深いです。
ネット証券大手のKPIを比較する
- 口座開設数
- SBI証券: 約1200万口座
- 楽天証券: 約1020万口座
- マネックス証券: 約257万口座
- auカブコム証券: 約166万口座
- 松井証券: 約152万口座
- GMOクリック証券: 約53万口座
- 岡三オンライン: 約41万口座
- 営業収益
- SBI証券: 約1750億円
- 楽天証券: 約1100億円
- マネックス証券: 約793億円
- GMOクリック証券: 約514億円
- 松井証券: 約310億円
- auカブコム証券: 約200億円
- 新規口座開設数
- SBI証券: 約42%
- 楽天証券: 約35%
- マネックス証券: 約9%
- auカブコム証券: 約6%
- 松井証券: 約5%
- GMOクリック証券: 約2%
- 岡三オンライン: 約1%
大手証券会社と異なりネット証券大手は項目ごとに順位の入れ替わりがあります。まだ固定されていないってことですね。
楽天証券とSBI証券の2社が現時点で強いですが、今後はメガバンクや携帯キャリアと組むことで三番手以下の追い上げがみられるかもしれません。